PayPalの出金タイミングはFXを使う


eBayや海外輸出で売れた商品の代金は米国ドルなどで受け取り、PayPal(ペイパル)口座にその売上金額が反映されます。

私たちeBay出品者にとってはまさに至福の瞬間ですよね。

そして皆さんは現在の為替レートを自分なりに確認しながら、PayPalからの出金タイミングを日々うかがっているかと思います。

 

ペイパル口座内にある各国の外貨のイメージ

PayPalは外貨預金的な使い方もできるので、為替相場の値動きには一喜一憂してしまいます。

 

為替レートが円安(ドル相場が上がる)になることで為替差益も同時にゲット出来るので、これがPayPalにおける資産運用の醍醐味の1つかもしれません。

逆に円高(ドル相場が下がる)になると円換算時の売上が目減りするので日本の出品者にとっては頭が痛い、悩みどころです。

 

これ、なんとか少しでも軽減する方法はないのでしょうか?

 

そこで考えました。PayPalから出金するグッド・タイミングというか自分にベストな基準を決めてしまおうと。

 


私たち個人ができるだけ高い為替レートで出金するためには、FX(外国為替証拠金取引)会社が提供している「為替チャート」を使って判断するという方法があります。

 

とは言いましても、これは私自身が考えついた手法でもなく大手の輸出産業や商社ならどこでもやっている事です。

よくニュースなどで「○○企業の今年の想定為替レートは、1ドル=110円です」とか言っているのを聞いたことがあると思います。

 

別にFX会社の為替チャートではなくとも、彼らは様々なテクニカル分析ツールを使いながら、時には経済情勢を判断しながらも

為替レートの値動きを予想し、利益が出る(損失を最小限に抑える)水準を決めています。

そしてタイミングの良い頃合いを見計らい、ドル建て売上を日本円に上手く換金しています・・・。

 

では、そろそろ本題に移りたいと思います。

 

1. 円高時のPayPal出金タイミング

では最初に、円高時のPaypal出金タイミングの見極めが一番重要だと考えられますので、こちらから先にお話したいと思います。

 

先述のとおり円高ドル安時にはeBayで一生懸命に販売して得た「虎の子の売上」がどんどん目減りしてしまいます。

この「円高トレンド」というものが実に厄介で、一度始まり出すと数年間は下落相場が続いてしまうこともあります。

 

米ドル安になっていく様子

そのためイーベイでは、

「販売価格や送料の値上げ」→「なかなか売れない」

→「さらなる円高で値上げ出品」

などの悪循環に陥ってしまいます。

 

ただ、相場は一直線に下がり続けるものではありませんので、下落しながらも一時的に上昇する場面が必ずあります。

 

例えば、1ドル=110円から100円まで下がった後に105円まで戻り、また下落し始めるといった感じです。

この「一時的な上昇」を狙い、PayPalからタイミング良く出金(ドル売り・円買い)する方法を考えてみます。

 


まずはFX会社のサイトからログインしたら、ドル/円の「日足チャート」に「75日単純移動平均線」を表示させます。

 

日足チャートは1日単位の値動きをグラフにしていったものでローソク足で表示するのが一般的です。

また75日移動平均線は過去75日間の終値の平均値を結んでいった線で、世界中の投資家が注目しているという重要な節目です。

 

商品の平均価格の推移みたいなものですね。この価格帯よりも上なら消費者から買われているので人気商品、下なら売られているので不人気(中古ショップに同じ商品が多数出回る→価格の下落)といったイメージです。

 

FXではこの75日移動平均線を境にしてドル/円相場が反転・反発することも多々あります。

(場合によっては、200日移動平均線も重要ラインなので結構反応します)

 

論より証拠。一例として下記の画像をご覧ください。

 

こちらはFX会社が提供している、2016年の「ドル/円」日足チャートを一部抜粋したものです。

(実際のチャート上では、マウスオンするだけで詳細な情報が得られるので便利です)

 

円高時にPayPalから出金するタイミングを示したチャート

ドル円の日足チャート(2016年5月~9月初旬頃の値動き)※出所:外為オンライン

いかがですか?レートが75日移動平均線(画像で紫色の下降線)まで到達した後、このポイントから見事に下落に転じています。

まるで相場に意思があるかのように驚くほど正確に動いていますよね。

さらに今年(2016年)はこのような現象が合計4回もありました(実際にチャートを開いて確認してみてください)。恐るべし^^;。

 

話を元に戻します。このチャートを見る限りでは、レートの再下落が始まる前に出金する。

 

つまり、

ドル/円レートが75日移動平均線にできるだけ接近したのを確認してから、翌日(※)にPayPal口座にて出金手続きをする

というのがタイミング的にも良さそうです。

 

(※PayPalで換金レートが決定されるまでのタイムラグがあるため)

 

もちろん、換金したあとにもっと上昇する可能性もありますが、こればかりは「神のみぞ知る」ことなので私たちにはどうすることも出来ません。

 

為替のリスクヘッジにも使える

ここまで読んできて感の鋭い方ならもうお気づきかと思います。

 

そうです。円高トレント時にはFXで取り引きをしながら為替のリスクヘッジを行うという方法も考えられます。

つまりは他の金融商品で利益をあげることでPayPal口座内の外貨の目減り・損失分と相殺させるという事です。

(ピンチをチャンスに変えるとは、まさにこの事?)

 

FXは外貨預金とは違い、下落局面でも有利に取引できる場合があります。

 

具体的にはプライスボードの「売」ボタンを最初に押してから、レートが下がった時に「買」ボタンを押して取引を完了させることで為替差益が得られます。(反対にレートが売値よりも高くなった時に買ボタンをクリックすると為替差損になる)

 

先の例では為替レートが75日移動平均線にタッチしたら「売り取引」を始め、レートがこの線よりも下に大きく離れたら「買い決済」をする、といった使い方でリスクヘッジしている方もいらっしゃるかと。相場用語ではこれを「戻り売り」といいます。

 

例えば、1ドル100円の時に1万通貨分のドルを売る取引を始めた場合は、レートが1円さがって1ドル99円になった時に決済すると1万円の利益になります。同様に、10万通貨の売り取引で1円下がった場合には、10万円の利益になります。

2. 円安時のPayPal出金タイミング

米ドル高になっていく様子

一方、為替相場がどんどん上昇していく「円安トレンド」ほど嬉しい局面はありません。

 

海外販売で得たドルの価値が上がっていく(円が増える)し、日経平均株価も上昇することが多いしで輸出業者にとってはまさにイケイケムードですよね?

 

なので、円安ドル高時にPayPalから出金するタイミングはあまり神経質になる必要はないかと。

 

基本的には「下がったら"出品"」、「上がったら出金する」を繰り返すだけです。強いて言えば、一時的に下がったところ(谷)での換金だけはしないように気を付けたいものです。

 


そして下の画像では、75日移動平均線(紫色の上昇線)よりもレートが上に大きく離れた時が出金の大チャンスです。

 

※こちらもFX会社の「ドル/円」日足チャートを一部抜粋したものです。

 

円安時にPayPalから出金するタイミングを示したチャート

ドル円の日足チャート(2014年9月~12月頃の値動き)※出所:外為オンライン

円安トレンドの相場では、山と谷を繰り返しながらもジグザグに上昇していきます。

相場が一時的に下がる前、つまり画像では「山」の頂上付近の価格帯でPayPalから換金すれば有利なレートで日本円が得られるという事になります。いわゆる勝ち逃げをするというわけです。

 

またFX取引で利用する場合は、75日移動平均線にレートが近づいた10月15日頃に「買いエントリー」、12月に入ったら「売り抜ける」という戦略も上記チャートでは検証できますよね。このような上昇トレンド中の少し下がったところで安く買うことを「押し目買い」といいます。

3. PayPalの支払手数料について

さて次は、売り手(販売者)側がPayPalを利用する際に負担する、支払手数料を簡単にまとめたいと思います。

なかでも「出金手数料(為替手数料)」を計算することは、PayPalから出金するタイミングを決定するためにも大切なのでしっかりと押さえておきたいところです。

 

出金手数料(為替手数料)

いわゆる隠れ手数料。普段は気付かないという方も意外といるのでは?

 

PayPal口座内の「外貨」を「日本円」で日本国内の銀行口座に出金(振替)する場合は、ペイパル陣営が基準にしている標準レート(インターバンク市場の為替レートの前日終値か?)よりも2.5%ほど低い為替レートが適用されます。

 

例えば、インターバンク市場で「ドル/円」の前日終値が120円のときに出金すると、それより2.5%低い「1ドル=117円(※)」で換算された金額が日本国内の銀行口座に入金されるといった感じです。

 

この場合、1ドルあたり3円もの出金手数料が掛かる計算になります(もしかして、クリボッタ?)。

1,000ドル出金すれば3,000円の手数料となるわけで、これは月々の格安スマホ代にも匹敵する金額なので侮れませんよね?

 

※入金額の計算式:117円=120円 × 0.975

 

なお、インターバンク市場とFX会社が提示するレートはどちらもほとんど遜色ないと言えますので、私たちはFX会社が提示しているレートでの前日終値などを基準としても、若干の誤差はあれど特に問題はないかと思います。

 

そしてeBay出品時の為替レートは全てメモしておき、商品が売れて出品時よりも4円くらい高いレートになったらPayPalから出金する、といった使い方もできます(他の手数料を考慮しない場合)。

 

その他の支払い手数料も見てみましょう。

 

代金の受け取り手数料

eBayでは落札者(購入者)から商品代金を受け取った時に発生します。PayPal売上手数料とでもいいましょうか

(eBayの売上手数料は別に支払う)。この時、苦労して稼いだ「受取金額」の3%~4%が手数料として胴元に徴収されます。

この支払率はPayPal口座内の月間売上総額によって変わってくるということです(下記の表を参照)。

 

ペイパル月間売上高(受取総額/月) 手数料
30万円以下

国内から受け取った場合:

3.6%プラス40円

海外から受け取った場合:

3.9%プラス40円

30万円超~100万円以下 3.4%プラス40円
100万円超~1,000万円以下 3.2%プラス40円
1,000万円超 2.9%プラス40円 

引き出し手数料

PayPalから銀行口座に資金を振り替える時にかかる事務的な手数料。米国内の銀行へ引き出す時は無料。

日本国内の銀行への引き出し手数料は、5万円未満が250円で、5万円以上が無料となっています。

 

4. FX(外国為替証拠金取引)とは?

さて、海外のeBayなどで販売する方が必ず関わってくるのが「外国為替」です。

そこで最後に、為替と関連性がある「FX」についても簡潔に説明したいと思います。

既にPayPalで外国為替を経験しているeBayセラーの方にとってはアドバンテージがあり、相性が良い資産運用法ですね。

 

各国通貨ペアのプライスボード

FXとは外国為替証拠金取引(差金決済)のことで、身近な資産運用の手段としても近年では益々注目されてきています。

 

要は外貨預金が進化して使いやすくなった(下降相場でも収益が追求できる)金融派生商品だと考えてもらえればいいです。

 

外貨はアメリカドル(USD)はもちろん、ユーロ(EUR)やイギリスポンド(GBP)、オーストラリアドル(AUD)など、各国のeBayで出品されている方にとっては馴染み深い通貨のお取引もできます。


加えて、数千円の証拠金を預け入れるだけで世界中の通貨ペアの売買ができますが、取引方法によっては一度の取引で証拠金よりも大きな為替差益や差損が生じることもあります。

 

FXのメリット

ほんの一例ですが、FXのメリットは、

  1. 外国為替の値動きは株や商品相場よりも比較的安定している
    → とにかく極端に上下動するハラハラ・ドキドキ(笑)のビットコインよりも、安心して投資ができる
  2. 手数料が外貨預金や仮想通貨に比べて圧倒的に安い
    → 売値と買値の差であるスプレッドというコストが、ドル/円で1万通貨の1取引につき1銭の値幅分、かかる程度
  3. 銀行の定期預金よりもはるかに高金利
    → 例:10万通貨分の米国ドルを買い保有するだけで1日650円の金利が受け取れる(2019年2月21日現在)

ほかにも、株式投資に比べて銘柄が少ないので選びやすい、土日以外は24時間いつでも取引できる、などの特徴もあります。

 

FX口座を開設するには

これはどこのFX会社のサイトでも共通している事だと思いますが、まずは口座開設フォームに必要事項を入力します。

(口座開設は無料ですしフォームの入力完了までは5分程度で済むと思います)

 

次に、デジカメやスマホで撮った本人確認書類とマイナンバー書類の画像を計2枚、アップロードするだけです。簡単ですね。

(事前に撮影しておくとスムーズに口座開設ができます)

もちろん、画像は後からサイト上でアップロードしても問題ありません。

 

【口座開設に必要な書類】:

  • 顔写真付き本人確認書類(運転免許証など)
  • マイナンバーの通知カード

顔写真付きの個人番号カードをすでにお持ちの方は、この両面画像(合計2枚)のみをアップすればOKです。

 

各画像は全体が欠けずにはっきりと見えるよう、カメラ枠内ギリギリまで拡大して撮影するのがポイントです。

 

ネットオークションで出品経験がある方は商品画像の撮影には慣れていると思いますので特に問題はないかと。

 

そして早ければ1~2営業日後に「パスワードが記載された書類」が自宅に届きますので、さっそくFX会社のサイトからログインします。

 

ここでドル円の「日足チャート」には「75日単純移動平均線(75SMA)」を表示させ、PayPalでのベストな換金タイミングを虎視眈々と狙っていきましょう。

 

ちなみにFX会社が無料で提供している分析ツールは他にも多数あり、為替の値動きを予測するには大変便利です。

世界の機関投資家たちが利用しているツールとほとんど変わらないほど高性能だといっても過言ではありません。

 

実際にFX取引を始めるには

実際に取引を始めたい方は、開設した口座に資金を預け入れましょう。

 

ゆうちょ銀行、ネット銀行、メガバンク等でインターネットバンキング契約をしている方は、ネットでスピード入金ができるので即日からFXを始めることも出来ます。ヤフオクで落札・出品をされている方は既に使っている方が多いかと思います。

もちろん、契約していなくても銀行ATMから預け入れることもできます。

 

当初は5千円くらい預けておけばドル円の1000通貨での取引なら余裕をもって行えます。

ちなみに私が初めての取引を体験した時には、「冷静じゃない為替トレーダー」(笑)にでもなった気分で、ドキドキ・ワクワクしながらも楽しかったことを覚えています。

 

それはさておき、FX歴8年超えの管理人がオススメのFX口座はズバリ、外為オンラインです。

ここは外貨の自動転売で利益が狙えますので、「タイム・イズ・マネー」といいますかお金に働いてもらうこともできます。(この間、出品作業や仕入れに時間を費やすことができますね)

 

ただ、リスク管理だけは充分に注意しましょう。

FXは小さな資金で大きな利益が狙える反面、元本割れや損失のリスクもあります。

 

なので、損失方向に為替レートが動いたら損失が拡大しないうちに、「なるべく早目に損切りする」などを心掛けたいものです。

逆に利益方向に動いたら爆益・大取りができるよう、忍耐力などのメンタル面も徐々に鍛えておきたいところです。

 

大切なのは取引経験を積み重ねながら少しずつでも学んでいく姿勢。実はこれが上達への一番の近道だと思います。

これはeBay販売にも言えること。是非、自分なりの勝ちパターンが確立できるようにお互いがんばっていきましょう。